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社会不安障害SADって何?正しい理解と対処法を学んでいこう

社会不安障害(SAD)」という言葉を聞いたことがありますか。

 

社会不安障害と聞くといまいちピンとこないと思いますが「スピーチで強い緊張がする」、「人前でご飯を食べれない」「人前で声をうまく発することができない」などの症状が過度に現れることを言います。

 

誰にでもある緊張や恐怖心がかかわっているんです。

 

ここでは、僕自身の体験を含めて、社会不安障害(SAD)は正しい知識さえあれば恐いものではないし、治すことのできる症状なんだよ!というメッセージをご紹介します。

社会不安障害(SAD)の理解を深めよう

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 社会不安障害(SAD)は、Social Anxiety Disorderの略で社交恐怖や社交不安症とも呼ばれる精神障害のことを言います。

 

精神障害と言うと、精神病のように感じるかもしれませんが医師によって、または症状によって病気と認識する方や、そうではなく1つの症状と捉えている方もいます。その対応はまちまちといったところです。

 

だからこそ人によっては「私は重篤な病気なの?」と過度に心配をしてしまう方もいます。

 

ただ僕自身は、社会不安障害が病気という認識を持っていません。

 

というのも社会不安障害は「人前で話すときに、極度に緊張してしまう」「人前でうまく話せない」など、日常の中で誰もが体験するいたって当然のことだからです。

 

その上で、なぜ社会不安障害が場合によっては治療しなくてはいけないかと言うと、緊張や不安、そして恐怖心が過度に現れるようになると脳内の神経伝達物質のバランスが崩れたり、自律神経が乱れてしまい日常生活に支障が出てしまうからです。

 

まとめると、社会不安障害は、私たちにとって誰でもおこる「緊張」や「不安」が過度に現れることにより、日常生活に支障をきたす状態のことを言います。

 

日常生活に支障が出る症状とは

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ここでは、通常の緊張や不安、恐怖心と比較をして社会不安障害の場合の症状はどんな場面で日常に支障が出るのかを見ていきます。

 

今まさに不安障害で苦しんでいる人や自分もそうかもと感じる方は、症状が自分に当てはまっているかを確認してみてください。支障が出る症状は次の通りになります。

 

  • ①人前でスピーチや発表をするときに、極度に怖い・緊張する
  • ②周囲の視線が自分に突き刺さり、いてもたってもいられなくなる
  • ③注目されると口の動きや体の動きをどうして良いのかわからなくなる
  • ④人前で食事がとれない
  • ⑤人前で文字を書く時に手が震えて書けない
  • ⑥自宅では大丈夫だが緊張すると電話での応答が全くできない
  • ⑦人と接するとその人の反応や仕草を深く考えて落ち込んでしまう

 

以上代表的な7つの症状をご紹介しました。もちろんこの他にも症状についてはたくさんありますが、重要なことは今自分におきている症状が日常生活に支障をきたしているかという点です。

 

※症状が出ていても、問題なく支障なく生活できていれば問題ありませんし、支障が出ていても自分自身が問題ないと思っていれば大丈夫です。

 

生活がままならない場合はどうしたら良いの?

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 社会不安障害によって、 日常生活に支障が出てしまい生活もままならなくなると、その人本人も思うように生活を送れなくてつらいです。

 

ちなみに僕自身も不安障害が一番つらかったときは、高校生の思春期の頃で、自分の隣の人を気にして授業に集中できなくなり、授業をたびたび欠席。

 

友達もおらず、昼食も食べられないほどに緊張し、外に出ると周囲の視線が「あいつキモい」と言ってそうで、自宅に引きこもりました。

 

生活に支障が出るくらいまで社会不安障害が深く関わってくると、自分だけでは自分の存在を正確に見つめることができないですし、自分の気持ちのコントロールができない状態なので、第三者の助けが必要になります。

 

今は心療内科やカウンセリングに行くことは恥ずかしいことではありません。

 

それこそ、僕が社会不安障害が神経症と言われていた頃は、カウンセリングする場所も少なく、病院へ行っても強い薬を出されてしまうという状況でした。

 

しかし現在は、さまざまな心療内科が存在してカウンセラーもたくさんいます。それぞれお住まいの地区に、良いお医者さんやカウンセラーがいますから、恥ずかしがらずに受診してみましょう!

 

とは言ってもなかなか言い出せないですよね...

 

ただ本当に今の状況から、脱出したいのなら自分だけで抱え込むのはやめましょう!

 

僕もこれまで、臨床心理士さんや精神科医、カウンセラー、作業療法士さんに大いにお世話になりました。

 

その結果として、支障なく過ごせるまでになったんです。人に頼ることは悪いことではありません。

 

僕は人に頼るのが遅かったために、社会不安障害を克服するのに10年以上の時間を要しました。とても長い時間です。

 

みなさんには、僕のように長い時間をかけて欲しくありません。まずは両親や、恋人など身近な人に相談することから始めてください。

 

もし誰にも相談できないのなら「ここりずむ.com」のお問い合わせからメールをお送り頂いても構いません。経験者として、お力になれるかもしれません。

 

社会不安障害(SAD)の服薬治療とは

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 ここからは、病院やカウンセリングになかなか行けない方に社会不安障害の治療はどのようなものがあるのかをご紹介します。

 

漠然と治療に不安を抱えるよりも、どのような治療があるのかを、ある程度理解すると、社会不安障害の治療にも行きやすくなります。

 

治療法は大きく分けて2つです。1つは緊張と不安を和らげる「服薬治療」、もう1つがお薬での段階を見て「精神療法」を組み合わせるという治療です。

 

社会不安障害になったからと言って、薬づけになるというとではありません。薬はあくまでも、レスキュー的な使い方と考えてください。

 

恐怖心や不安が強い場合は、気持ちのコントロールができないですし、本人もつらいですから、お薬でしっかり不安や緊張を和らげることも必要です。

 

その人の状態に合わせて、お薬からスタートするときもあれば、お薬なしで精神療法からはじめることもあります。

 

もちろん薬を徐々に少なくして、精神療法のみに移行することも可能です。僕もかつては、抗不安薬を処方されて飲んでいました。

 

社会不安障害で使われるお薬①「抗うつ剤」

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社会不安障害になり、日常生活に支障が出てしまうと自分自身の気持ちのコントロールができない状態の方もいます。

 

このような状態の場合は、脳内の神経伝達物質で、幸せホルモンと言われる「セロトニン」の量が少なく、神経伝達がうまくできない場合があります。

 

セロトニンが少ないと、不安や恐怖が強く出てしまいます。

 

そのようなときは、抗うつ剤(SSRI)でセロトニンを増加させて不安を解消することもあります。社会不安障害では一般的な薬となっています。

 

抗うつ剤は飲み始めてから、すぐに効果が出るわけではありませんが、飲み続けることで効果が現れます。

 

抗うつ剤の種類によっても副作用には違いがありますが、一般的に知られているところでは「便秘」や「口の乾き」「ふらつき」「眠気」などがあります。

 

当然ながら僕自身は、医師でもありませんし、薬剤師でもありませんから、薬のお話しは信頼のおける一次情報に基づき記載しています。

 

社会不安障害で使われるお薬②「抗不安薬」

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抗不安薬も、社会不安障害に用いられる薬として知られています。抗うつ剤よりも、即効性があります。

 

即効性のある薬なので、緊張や不安感が強いときや、抗うつ剤の効果が現れるまでの間使用されることもあるそうです。

 

僕も抗不安薬の「メイラックス」という薬を服用していた時期がありました。服用中は、不安感が少し薄れた記憶があります。ただその反面、眠気が起きることもあるのでそこは注意をしていました。

 

抗不安薬を使用して良いなと思ったことは、やはり服用中は「安心できる」ということです。

 

薬があるからこそ、社会不安障害があっても少しだけ踏み出す勇気がでたり、安心感につながります。

 

お守り的な役割も、抗不安薬にはあるんですね。現在処方されている薬は、以前の薬に比べると格段に進化しており、副作用も少ないものもありますから、症状がひどいときは敬遠せずに医師の判断を聞いてみましょうね。

 

社会不安障害で使われるお薬③「漢方薬」

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今回ご紹介している社会不安障害の薬の中で、もっとも副作用が少ない薬が「漢方薬」です。僕も処方して頂きお世話になっていた時期がありました。

 

ほかの薬の副作用が不安なときや、妊娠中の方などに処方されることもあります。副作用は少ないですから安心して使うことができます。

 

その変わり社会不安障害に対しての効果としては、ほかの薬ほどは高くはありません。ただ、精神療法と併用したり、使い方次第では効果が見込める薬です。

 

医師と相談のもと検討してみてくださいね。

 

精神療法の治療とは

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社会不安障害の治療では、服薬治療だけではありません。その人の状態を合わせて精神療法も組み合わせていきます。

 

僕も数多くの精神療法を行ってきましたし、自分自身で行えるまでになりました。

 

精神療法の良いところは、薬と違い処方されなくても一度覚えてしまえば自分だけでも実践できるところです。

 

認知行動療法

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僕自身も認知行動療法には、すごくお世話になりました。人間は誰でも、偏ったものの見方をすることがあります。

 

例えば「LINEを送信した相手が、なかなか既読にならない」ということに対して「きっと相手は私のことを嫌いなんだ」と思いこんだり...

 

このような偏ったものの見方は、幼い頃の家庭環境や、いじめ・虐待など人生におけるマイナス体験によって自然に身についてしまうものです。

 

これらのマイナス体験は、社会不安障害の根本的なきっかけとなる場合もあります。

 

僕もいじめの体験から社会不安障害となった一人です。

 

認知行動療法を行うとこのような、偏った考えを訂正することができます。

 

専用のチェックシートのようなものに、自分が不安に感じている出来事を書き出して、そこから不安を数値化し、ポジティブな考え方を書いていきます。

 

これを繰り返すことで、ポジティブな考え方が身につき、予期不安に必要以上におびえなくても良くなるんです。僕も認知行動療法を行って、すごく効果がありました。ぜひみなさんにも体験して欲しいです。

 

また認知行動療法ではないですが、認知行動療法と同じ考え方を身につけられる、僕がよく実践する「ラベリング」という方法もあります。ノートと付箋があればできますので、やってみてください。

 

www.tomozonet.com

 

認知行動療法の考え方を学ぶならこちら

 森田療法

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森田療法は、社会不安症状の恐怖心や予期不安などを、あるがままに受け入れて症状があっても症状がある自分にではなく、やるべきことに集中して行動することで、症状への過度な不安を解消する療法です。

 

 僕自身も森田療法に詳しい臨床心理士さんに考え方から全て教わり、自分で実行した経験もあります。

 

社会不安障害になると、自分の症状のことばかり考えがちになります。しかし、この状態だと予期不安が強く出てしまうんですね。この状態から抜け出すには、症状にとらわらずに行動することが重要なんです。

 

とは言っても僕の場合は、完全に森田療法にしたがって行動することはできませんでした。症状があっても、普通に生活するのは簡単ではありません。

 

今となっては、森田療法の考え方を理解していますが当時は難しかったです。精神療法にも合う合わないがあるので、自分にあった精神療法を見つけることが大切です。

 

専門家に相談しよう! 

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 社会不安障害は、まだまだ認知度が低い症状の1つです。僕自身も「ただの甘えだ」などと言われたこともあります。

 

ただ、以前よりも社会不安障害の治療も進んできていますし、良い薬や精神療法も普及してきています。まずは、自分だけでなんとかせずに専門機関に相談してみましょう。

 

心療内科や各府都道府県にある精神保健福祉センターなどで相談できますよ。また、各都道府県に「こころのダイヤル」という専門の窓口もあります。こちらも活用してみてください。

 

全国心療内科検索

https://caloo.jp/hospitals/search/all/k113

 

こころのダイヤル

www.mhlw.go.jp

 

精神保健福祉センター

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/mhcenter.html


 

まとめ 

社会不安障害(SAD)の認知度は、まだまだ低いです。ただ、日常のストレスだったり、いじめや人間関係のちょっとしたきっかけで発症します。私たちに本当に身近な症状と言えます。特別なものではないんです!

 

もし少しでも思い当たる方は、ぜひこの機会に専門機関の受診をしてみましょう。決して恥ずかしいことではないですし、多くの人のサポートがある方が早期に回復します。僕からのお願いです!