会食恐怖症という言葉を聞いたことはありますか。実は「ここりずむ.com」の運営者の僕自身が以前、会食恐怖症で悩まされていました。
なかなか世間から認知されていない会食恐怖症ですが、悩んでいる方は多く、社会不安障害(SAD)の1つの症状と言われています。ここでは、僕自身も悩んでいた会食恐怖症との付き合い方を、僕自身の経験を元に3つのポイントに絞りご紹介します。
僕自身が会食恐怖症を克服できたので、悩んでいる方のヒントになるかと考えています。記事自体は、5000文字を超える内容ですのでお時間がある時に、お読み頂ければ幸いです。
会食恐怖症とは
「会食恐怖症」という言葉を初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。会食恐怖症とは、「食べていることを他人に見られる」、「人前では緊張して食事を食べられない」、「人前で食事をすると悪口を言われている気がする」などの症状が過度に現れることを言います。
会食恐怖症は、対人恐怖症と合わせて社会不安障害(SAD)の中の症状とされており、20代〜30代の女性が多く悩まされている症状でもあります。
会食恐怖症の具体的な症状としては、「人前で見られていると緊張して食事が喉を通らない」、「友達と複数での食事が怖くてしょうがない」
「人前で食べるだけで吐き気がする」、「人前での食事で手や首が震える」またこのような症状があることで、人から「変な人」だと思われやしないかと予期不安に襲われるという症状があります。
会食恐怖症状の原因をつかもう
会食恐怖症状は社会不安障害の症状とされていますが、実は突然会食恐怖症状を発症することはありません。これは僕の体験からも言えることですが、必ず発症するには原因があります。
これらの原因となる出来事を「原体験」などと言いますが、 一見突然発症したように感じる症状でも原因があることを理解しましょう!
僕の場合は、中学生の時に僕の給食の食べ方について悪口を言われたことが原因でした。(当時の僕はそう思っていました。多感な時期でしたので記憶が曖昧です。)
ちょうど思春期とも重なり、周囲が自分をどう思っているか気になる年頃でした。
また同級生に悪口を言われるのではないかと心配するあまり、自律神経のバランスが崩れて、交感神経が働きすぎとなり、給食や昼食を食べる時は常に緊張をしていたんです。
「また悪口を言われるかもしれない」から「周囲が気になる」そして「緊張する」というサイクルを繰り返し実際に人前で食べると緊張のあまり「首が震える」という症状として現れるようになりました。
この「首が震える」という症状が現れたことで、人前での食事が一層怖いものになり「また首が震えたらどうしよう」と予期不安に襲われるようになったのです。人前で首が震えて、周りの人が僕を見た時の反応が僕のトラウマとなっていったんです。
このように会食恐怖症となるからには、何らかの原因があります。まずはどうして会食恐怖症が起きたのか原因を見つけてみてください。
もしかしてと思う出来事を見つけることで、解決策を見つける第一歩になります。僕の場合は「異性の同級生から悪口を言われた」という出来事が後々の会食恐怖症を克服するためのポイントになりました。
会食恐怖症とうまく付き合う3つの方法
ここからは会食恐怖症状を克服した僕の経験から、どのように克服することができたのかその方法を3つに絞りご紹介します。大切なことは会食恐怖症への見方を変えてあげることです。
①不安な気持ちをラベリング
すごく大切な考え方があります。それは「不安な気持ちをラベリングする」ということです。ラベリングとは、不安な気持ちの強弱を整理するということです。社会学者のハワード・ベッカー氏が提唱したラベリング理論とは全く意味合いが異なります。
会食恐怖の症状が一度起きると「最悪だ、まだ起きてしまった」「私なんか普通じゃないんだ」とすごく感情的になりがちです。
一度悲観的なマイナスイメージが頭を支配すると、緊張度合いが一気に高まるのです。ただ1つだけ言えることはマイナスイメージにも強い・弱いという強弱があります。
マイナスイメージに支配されると、この強弱を意識せずに、ひたすら「怖い」という一括りのイメージだけに支配されてしまいます。
このマイナスイメージにも強弱があることを理解すると、不安の度合いの弱い状況と強い状況を理解して自分自身で不安な気持ちをコントロールできるようになります。または不安な状況を作らないこともできるんです。
この方法は主に「認知行動療法」という治療法で良く使われる方法で、僕自身もこの療法を行い、自分に起きている不安な出来事を漠然とした状態から、より詳細に分析できるようになりました。
ここでは、認知行動療法のやり方については長くなってしまうので触れませんが、記事の後半でおすすめの本をご紹介します。ぜひこちらも参考にしてください。
不安な気持ちを整理するラベリングのやり方
それでは不安な気持ちを整理するラベリングという方法をご紹介します。
この方法を覚えると、予期不安がある中でも自分から不安が強い状況、弱い状況を判断することができるようになりますし、慣れてくれば不安な状況でも食事がとれるようになります。
ラベリングをする前に用意して頂きたいアイテムがあります。それは「ノート」と「付箋」です。 これだけで大丈夫です。
<不安な気持ちを整理するラベリングのやり方>
①ノートを開きます。そしてノートの1ページにその月に起きた【不安な状況】と、【不安の度合い】を10段階の評価で書き記します。
②1がもっとも不安が少なくて、10が最大の不安を指し示します。また、不安な出来事に対しての【最大限のポジティブな言葉】も書き記しておきます。
解説を実践した画像が以下です。
少し分かりにくいので申し訳ありませんが、この画像の左上の付箋にはこのような文章が書かれています。
<不安な状況>
友達とカフェに行きパンケーキを食べる時に、手が震えないか心配だった。
<不安の度合い>
5
<ポジティブな言葉>
手が震えている人なんてたくさんいるから心配ない
このように、ノートに会食恐怖で不安な状況を書き記すことで、それぞれの状況別の不安の度合いを数値化します。数値化することで、不安にも度合いがあることに初めて気がつきます。
この数値化という作業が非常に重要で、数値化することにより例えば数値が小さい状況なら大丈夫そうだと食事にチャレンジすることもできます。また、あらかじめ数値が大きい状況が分かっていればその状況を避けることもできます。
またノートのすみに【総評】として、1ヶ月の分析をした感想を記載するようにします。すると、より客観的に自分の症状を見れるようになるんです!
またポジティブな言葉を記載することも重要で、これを繰り返すことで物事を見る時にポジティブ思考になるクセを身につけることができます。気がついたら、苦手が得意になっているなんてこともあり得ます。
僕はこの方法で会食恐怖の不安をコントロールする一定の法則を見つけました。
僕の場合は、ラベリングの分析で、年齢が近い異性がいる状況での食事や、スプーンでスープを飲む食事、そしてカフェなどのオープンスペースでの食事が極度の緊張を強いられました。
一方で、ラーメンなどのお箸で麺をすする系の食事や、非常に親しい一部の友達との食事、または家族との食事に関しては不安の度合いが低いことがわかりました。
その結果、友達とラーメンには行けるようになったり、半個室のようなお食事処なら緊張を半減することができました。
また予め不安が強そうな食事は避けることもありますし、お断りすることもありました。それ以外にも、食事を頼む時に不安が強いメニューを避けるようにしたりと、これまでのように漠然とした不安でなく、ある程度不安をコントロールできるようになったのです。
②食事を食べられないは逃げじゃない
よく会食恐怖症で悩む人の特徴として、食事を食べられないことに対しての罪悪感を感じている方も多いと思います。僕も当時はその1人でした。
ただ会食恐怖を経験した僕の考え方からすると、無理に食べなくても大丈夫です。例えば、苦手な会食で無理をして食べても、嫌な気持ちばかりが蓄積されてしまいますよね。
この状況は不安を増幅させるだけですから、あまり良い効果がありません。早い段階で会食恐怖症を克服するなら、無理をしないでください。
友達や上司からの食事の誘いは、少し怖いかもしれませんが「今日は食欲がなくて」とか、僕の場合は「お腹壊してて食欲がないんだ」などと言ってました。
食べられそうなら食べれば良いし、無理することもありません。
もし、どうしても会食をしなければいけない場面がやってきたときには、以下の「ちょこっと食べ代替えご飯」をおすすめします!
僕が会食恐怖症がひどかった高校時代に、よく使っていた方法で、この方法を行うと「苦手な会食でも少しずつ食べられた!」と自信がつきます。ポイントは、手でちょこっと食べることです。
③小さな成功体験が克服の近道
①のラベリングのところでもご紹介しましたが、会食恐怖症を克服するには不安の度合いを見える化してあげて、強烈な不安がある会食シーンでは無理をしないということが大切です。そして、不安が弱そうな場面では会食にチャレンジしてみても良いでしょう。
例えば、お箸を使って食べるのが緊張する場合は、おにぎりならどうか、コンビニのパンならどうかなどチャレンジできる方法を工夫してみるのもありですよ。
そのほか、さらにラベリングで分析を続けると、初対面の相手と食事に行くと不安強度が強いとか、彼氏・彼女なら不安強度が低いとか、人による傾向も見えてきます。
実際に僕もこれらの方法で、最初は緊張度の低いラーメン屋から、徐々に食べられるようになり、次第にファミレスに行けるようになり、そして今ではカフェでコーヒーを飲んでも問題ありません。ちなみにカフェでコーヒーなんて、その当時からは、考えられないほどの恐怖体験でした。
このように、時間がかかりますが、会食恐怖を克服することは可能です。そして、ここでもう1つ重要な要素があります。もうお気づきだと思いますが「小さな成功体験」です。
僕自身が、ラーメン屋から始まり、カフェでコーヒーを飲むところまで来れたのは、不安が小さい会食からトライして、小さな成功体験を積み重ねたから、自信がついていったんです。
この小さな成功体験こそが、会食恐怖症を克服するために重要なんです。しかも小さな成功体験は、無理に行う必要はありません。
あくまでも自然な流れで良いので、自分がこの会食なら行けそうだなと思ったら、トライしてみるのもありです。無理をしない程度に小さなハードルからトライすることで、自信がついてきます。
認知行動療法のおすすめの本
僕が実践して神経症やパニック障害、そして会食恐怖症を克服した「認知行動療法」についての本をお探しの方におすすめをご紹介したいと思います。
認知行動療法を学ぶと、今回の記事の中で登場したラベリングの方法よりも、自分の症状を客観的に見れるようになります。
自分を客観的に見つめ直すことができれば、会食恐怖という症状でさえも、感情的ではなく 、より症状の度合いを見える化することができます。非常に有効な方法の1つなのでぜひ参考にしてください。
ぜひこの本で心が楽になる視点を身につけてください。
会食恐怖症の緊張を緩和する
会食恐怖症になると、大小さまざまな緊張がやってきます。これは予期不安などによって、緊張が高い状態が続き、自律神経のバランスが崩れてしまう状況といえます。
具体的には、交感神経が働きすぎとなり、常に緊張した状態となるのです。もし、緊張の度合いがひどい場合には、緊張を和らげる方法をとった方が良いです。
緊張を和らげる方法を身につけると、会食への不安感が少しずつ軽減します。
緊張を和らげる方法は、「服薬治療」「精神療法」「民間療法」と大きくわけて3つありますが、ここでは自律神経のバランスを整えるブレンドハーブティーをご紹介します。
僕自身も普段からお世話になっているブレンドハーブティーで、このハーブティーを開発した林翔太郎さんも、以前パニック障害や自律神経失調症で悩んでいた1人です。
自身もつらい経験をしたからこそ、完全オーガニックにこだわり、ハーブを使用した治療が認められている「英国メディアカルハーブ協会認定ハーバリスト」も開発に携わった実力のあるハーブティーです。
朝の憂鬱な気分を解消し、交感神経のバランスを整える「モーニングアップブレンド」と、夜の不安な気持ちや緊張を和らげる「ナイトリセットブレンド」の2つのハーブティーがあります。
「ここりずむ.com」の記事の中でも、反響が大きいハーブティーですので、一度試してみてください。
まとめ
みなさんここまでいかがでしたでしょうか。会食恐怖を克服するには「ラベリング」で不安を数値化して、強い不安と弱い不安を仕分けします。そして、弱い不安を見極めて「無理をせずに会食にチャレンジ」して、「小さな成功体験」を積み重ねるんです。
この3つを行うことである程度の時間はかかりますが、会食恐怖症が全く気にならなくなります。この3つのポイントの中で特に重要視して欲しいポイントは「無理をしない」ということです。
無理をしてトラウマが強くなってはいけないですから、最初のうちは不安な気持ちをラベリングするだけでも心の整理が上手になり、ポジティブな考え方ができるようになります。まずは始めやすいラベリングからスタートしてみましょう。
運営者からのコメント
会食恐怖症を克服するためには、信頼のおける人に症状を打ち明けるのも1つの方法です。理解してくれる人が1人でもいると、心から安心して副交感神経が優位になり、不安を感じずに会食ができるようになります。
その出来事があなたの自信につながって、良い連鎖として広がります。家族でも、親友でも、恋人でも打ち明けてみましょう。僕も家族や親しい友人には打ち明けていました。ぜひ参考にしてください。